2019年11月9日(土)、経営者15名が集まり、福岡県中小企業振興センターで哲学対話体験会を実施しました。
哲学対話の会奥田から、趣旨やルールの説明を行った後、対話を行いました。
1.哲学対話とは
・「問い、考え、聴き、語ること」
・目指すのは「わからない」を増やすこと
・ルールが対話を哲学的にする
哲学対話とは「考える力」を身につけるために開発された子ども向けの教育手法。
課題解決を目的としない。だからモヤモヤする、生産的でないと感じる人もいる。
真理を探求する誠実な態度で、言葉を大事にしながら、じっくり考えることがここでいう哲学。
2.ルール
① 話さなくてもいい
② 他人に否定的な態度を取らない
③ 専門用語を使わない
④ できるだけ質問をする
⑤ 発言はコミュニティボールを持っている人だけ
⑥ 問いを出す時間は問いに集中する
いつもの哲学対話の会とは少しルールを変えて、コミュニティボール(毛糸玉みたいなボール)を使いました。
最初の50分は問いを出す(意見の表明はしない)時間、残り30分を対話の時間としました。
3.問い
経営者の方なので「会社」をテーマに問いを出すことに。
① 会社はどんどん事業拡大しないといけないか
② 会社を続けていくための大切な要素は何なのか
③ 利潤の追求以外の会社の社会における重要な役割は何ですか
④ 人のやる気スイッチは入れられるものなのか
⑤ 残業するメリットとデメリットは何か
⑥ ニトリの社長とユニクロの社長はどちらが好きですか
⑦ 会社をなぜ経営しているのか
⑧ 人を評価するのはどうあるべきか
⑨ 気合、根性は会社経営に必要ないのか
⑩ スタッフに求める義務と権利をどうとらえているか
⑪ 厳しい指導とほめて育てるやり方のどちらが大事と思うか
⑫ 自分が死んだあと会社が続いていくけれどその先に何があるのか
⑬ 働き方改革にどう対応していけばよいのか
⑭ 副業はどんどん積極的にすすめていっていいのか
⑮ 経営理念やミッションは会社を作るときから考えないといけないのか
⑯ コミュニケーションはどうとるべきか
⑰ ICTとかITとか使えていますか
⑱ 指示命令と個人の尊重のバランスをどう計ったらよいのか
⑲ AIをどう思うか
⑳ 組織全体の信頼関係はどう構築していくか
4.対話
20の問いの中から多数決で、「会社を続けていくための大切な要素は何なのか」に決定し、対話を行いました。
続けていくことは前提なのか、理念が大事、時代の流れを敏感に読み取らなければならない、三方良し、利益があったうえでのこと、、などの発言がありました。
哲学対話について参加者からは「利害関係にない人との対話の場だったのでリラックスして話せた」「通常考えないことを考える機会になった」「面白い手法だと思った」「モヤモヤした、もっと考えたい」などの感想をいただきました。
このあと、坂口光一氏((一社)イドビラキ代表理事)から哲学対話を経営に活かしていくヒントとして実例を交えた講演がありました。
様々なセミナーや人材開発の手法を経験してこられた経営者の方にとっても、哲学対話は刺激的な手法だったようです。
ぜひ経営改革や組織の活性化に取り入れていただきたいと思いました。
会社や団体などで哲学対話をやってみたいという方、場づくりや進行のお手伝いをしますので、ぜひお問い合わせください★